起業しているとおもしろいことがあるものだ。
まさか年に二回も海外の要人がうちの古民家オフィスに訪問してくれることになるとは。
(JICAの人たちとの縁を作ってくれた、ダバオの怪人こと、三宅一道さんに心から感謝。ありがとう!)
今回、国際協力機構(JICA)主催の視察でフィリピンのICT (情報通信技術) 産業の代表者の方々が、村式の古民家スサノオを訪問してくれた。
ちなみに僕は英語が大の苦手だし、得意な人が周りにいてくれるお陰で僕自身は一生英語を習得することはないと思っていたのだが、今回はせっかくの機会だと思い少しだけ英語の実践をしてみることにした。
帰国子女のたぶちゃんに翻訳してもらった英語原稿を読みながらドキドキしながらのプレゼン。
プレゼン内容は、村式全般について。
理念のこと、事業のこと、鎌倉のこと、これからのITのことなど色々とお話させてもらったが、
中でもやっぱりクレイジージャパンのプレゼンが一番盛り上がった。
(クレイジージャパンとは、日本のヤバいものをさらにヤバくして世界の王族・富豪に届ける!というコンセプトのECサイト。)
ペット用甲冑も、大仏ロボットも盛り上がった。
というか、ウケた。
そして質門がたくさんきた。
「いったいそれはいくつ注文が入ったのだい???」
という類の質門が多かった。
冗談のような夢物語のなかに、わずかに匂い立つ現実感を確かめているに違いないと、僕はポジティブに解釈した。
僕は、冗談ではなく、この事業は大真面目にやっているのだと伝えた。
「僕は常日頃、クラウドファンディングなどの仕組みを使って日本のローカルを盛り上げたいと思っている。だから地域でおもしろい活動をしている方がクラウドファンディングで周りの人たちから少しずつ資金を集めて、イベント開催資金にしたり、ものづくりの種銭にしたりするアプローチを応援している。これは実にいいし効果的だ。
けど、それだけでは何かが足りない気がしていた。
クレイジージャパンはある意味それを補う、真逆のアプローチだ。
大事にしたいのは、まるで戦国時代の頃のように桁外れの大金をかけて夢のような無理難題を発注する大名と、その到底無理と思われるような注文を誇りをかけて受け、嬉々としてものづくりをする職人との関係性。
この関係性のなかから、日本各地に眠る伝統の力を使って想像を超えたものすごいものヤバイものが生まれるに違いない。
そしてローカルが飛躍的に盛り上がるに違いない。この思いが、クレイジージャパンの原点なのだ。」
と。
この話をしたら、フィリピンの要人たちのなかで、目をキラキラ輝かせて聞いてくれた方がいたのは嬉しかった。
あなたをアジア各国の次世代ビジネスリーダーの会に招待したいと言ってくれたおば様もいた。
フィリピンの方々は本当に親身で人懐っこくてパワフル。
実に刺激的でありがたい時間だった。
今はまだ夢物語のような商品企画のラインナップしかないし、正直ウケる!という段階である。
けど、ウケるってのもなかなかいいじゃないか。
こういうたくさん蒔いた種のなかから、きっと本物がうまれる。
本当に。
その現実感はどんどん増している。