去る11月21日に、僕の大好きな、
ザッポスのCEOトニー・シェイの来日講演に行ってきました。
ザッポスとは言わずと知れたアメリカの靴のオンラインショップ。
徹底した顧客志向の運営でぐんぐん成長し、一昨年にはアマゾンが8億ドルかけて買収したことでも有名になりました。
トニー・シェイは色んな話をしてくれましたが、
そのなかでも今回僕が一番シェアしたいのは、
「ザッポスにとって最重要なのは、カスタマーサービスではなく企業文化だ」
と断言していたことです。
これは驚きでした。
一般的に言われているザッポスの成功要因からすると
顧客サービスがザッポス躍進の源泉に思えるからです。
けれども、トニーはそうではなく、
企業文化こそが最重要なのだと明言していました。
企業文化を大事にして、それを戦略に取り入れるのだと。
企業のブランドと、企業文化は同じだということも言っていました。
僕は、企業文化とは人が作るものだと思っています。
ではザッポスの企業文化を作っている人がどういう人なのかというと、
「ハピネスを届ける(DELIVERING Happiness)」
というザッポスのビジョンにコミットしている人たち、
つまりハピネスをとことん追求している人たちだと思います。
ではザッポスはハピネスをどのように考えているのか?
トニーが言うには、いくつかあるハピネスの条件のうち
もっとも持続するハピネスは
「自分より大きなものの一部になること」
Being part of something bigger than yourself.
だそうです。
これは、深い。
「自分より大きなものの一部になること」
これがどういう状態なのかということについては、
色んな解釈があると思いますが、
おそらく自分も他人も組織もビジョンも一心同体という状態を
言っているのだと思います。
この状態になると自分を意識する必要もなく、
ヴィジョンや目標を意識することもなく
自分も他人も外の世界も全てがつながって、
かつ、自分の存在も活きている
という、まさに自然で、至福な状態になるのではないか。
一般的に自分の個性を発揮して生きることこそが幸せと
考えられているような気がしますが、
それが個人のレベルでとどまっているのではなく
全体=自分となった状態での、個の発揮こそが最上級の
ハピネスだ。
そうトニーは言っていたのかなと僕は感じました。
僕自身、なかなかそういう状態にはなれませんが、
たまに、仕事仲間が全てスーパーマンに見えて、
自分が最高に信頼できる仲間やお客さんに囲まれていて、
最高に幸せを感じる状態に入ることがあります。
何を言っても許されるし、仲間の要望も阿吽の呼吸で分かる状態に
なって、どんどんいい成果が生まれる状態。
すごいアイデアがどんどん生まれたり
ピンチの時に仲間同士でカバーしあうことが自然に気持ちよくできたり、
不思議といい出会いが起こったり。
かなり自分流の解釈かもしれませんが、
こういう状態を企業戦略の最重要事項に位置付けていて、
徹底的に研究しているのは、本当に素晴らしいと思います。
村式は、まさにその状態(フロー状態と呼んでいます)に入ることを
目指しています。
なので、大好きなザッポスのCEOがこういうことを言っていたのは
とても嬉しく、背中を押してもらえたような気分でした。
対外戦略として言っているのではなく、
トニーは心の底からこういう考えを信じ切っていることが
伝わってきたのもよかったです。
会えてよかったなぁーとしみじみ思いつつ、
鎌倉へ戻ってきたのでした。
ちなみにトニー・シェイ、
僕は英語はさっぱりなのですが、まるでお坊さんのような、
落ち着いて安心感のあるいいオーラを発しているナイスガイでした。
勝手ながら意気投合できそうで、一杯飲みにいきたくなりました。
いつか一緒に仕事してみたいです。