2017年、仮想通貨元年。仮想通貨は“投資対象”のままで良いのか?
先日、電車で「仮想通貨元年」という広告を目にしました。
2017年04月01に日本でも仮想通貨の法案が施行され、ビットコインを中心とした仮想通貨が日本でも現実の貨幣に近い通貨だと定義付けられたことから国内では今年が仮想通貨元年ということになるようです。
ビットコインなどの仮想通貨といえば、今は「投資」の対象としてのイメージが大きいと思います。実際にビットコインを始めとした仮想通貨は、今では全世界で時価総額約1600億ドルにまでに上がっており、国内最大ビットコイン交換所「ビットフライヤー」でも、今年の5月に利用者が60万人を達成しています。
(2017/09/07時点https://coinmarketcap.com/charts/)
しかし、仮想通貨とそれを支えるブロックチェーン技術がここまで注目され、成長し続けるにはただ「投資対象としてお金が稼げるから」だけではなく、新たな未来を創造し得る可能性に満ちた分野であるからと言えるでしょう。
昨年のものになりますが、WIREDのこの記事がわかりやすく丁寧に説明しています。
“Internet of Money 暗号通貨の新世界 ビットコイン進化論 来るべき13ステップ
https://wired.jp/special/2016/internet-of-money/“
簡単にまとめていうと、ブロックチェーン技術を使った仮想通貨とは、従来の銀行による集権的な管理から、インターネット内での多数のサーバーに分散させ管理することで、より強固でオープンなものになったバーチャルなお金とのことです。とにかく、従来の現金管理や取引において、大幅にコストが削減できるだけでなく、どこの国にも属さない中立的なお金であるため、両替を気にすることなく自由に利用できます。
※仮想通貨とブロックチェーンの仕組みやより詳しい説明は是非たくさんネットにあるのでググってみてください。これとかわかりやすいと思います。
http://jp.techcrunch.com/2015/03/31/bitcoin-essay/
仮想通貨は中小マイクロ企業が光明を浴びるチャンスなのでは?
村式ではこのブロックチェーン技術と仮想通貨を国際企業間取引に活用する、国際間取引サポートサービス“&go(アンドゴー)”事業を、10月の公開に向けて準備を進めています。(ベータ版をクローズドで公開予定)。
&goでは中でも、特に中小マイクロ企業間での海外取引に注目しました。これらの企業の多くは
・大企業に比べ決済額が小規模であるため、銀行手数料等の決済にかかるコスト負担が比較的大きくなりがちである
・社内の人的リソースが限られている中で高度な専門知識を要する貿易庶務作業の人員確保が難しい
・決済業務に時間と手間がかかってしまう
・国際間取引のビジネスコミュニケーションを円滑に行う体制が組めない
など、たくさんのハードルを抱えています。
ここで送金手数料について具体的な話をすると、現在、世界での海外送金手数料の平均は送金額のうちの7.32%であるというデータがあります。(http://remittanceprices.worldbank.org/en)
例えば、海外の取引先に100万円送金するのに、73,200円の手数料がかかっているという計算になるのでかなりの負担額です。また、いくつかの銀行を仲介するケースも多いため、送金から入金完了までに予想外に時間がかかってしまいます。特に途上国、新興国などでは先進国のように銀行が普及していないため、3日以上かかってしまうことも多いそうです。
一方でビットコインを利用して送金した場合のシミュレーションは、
・送金手数料(2017年9月現在、コインチェックを利用した場合)0.001BTC(約510円)
・入金手数料と出金手数料(銀行によって異なるが、無料〜1%程度)
・そして場合によっては法定通貨へ替える際のコスト
が発生しますが、単純計算で銀行を仲介するよりも大幅にコストダウンすることができます。
ビットコインの利点として24時間365日取引可能で、送金完了までの時間も数時間で完了します。アカウント同士で直接送金でき、短時間での取引が可能である点に着目し、&goにはビットコイン決済の仕組みを搭載しています。
実証実験で確認された送金時間短縮と支払総額の削減
実際にこの仕組みがワークするのか、中古農機具輸出を行う鳥取の旺方トレーディング社とフィリピンのバイヤーに協力いただき、昨年12月に実証実験を行いました。
実験の結果は、150万円相当の農機具の取引で、バイヤー側の支払い総額は従来の銀行送金に比べ1.67%削減され、入金確認まで従来では3日間程度かかっていたところが、2時間程度まで短縮されました。
チャットで瞬時にコミュニケーション!
また、&goのチャット機能で、写真や動画を確認することができ、直接コミュニケーションのハードルが下がりスムーズに取引を行うことができたそうです。
その様子が先日8月8日の日本経済新聞に掲載されました。
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO19747080X00C17A8LC0000/
サービス実用化に向け、ご協力いただける企業様を募集中!
この実験成功を踏まえて、さらに改良を重ね、現在は10月初旬のクローズドβ版公開予定日に向けて着々と準備を進めております。
現在、本サービスの一般公開に先立って、&goの試験運用にご協力頂ける企業を募集しています。
既に日本と以下5国間(フィリピン、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア ※香港、ヨーロッパ圏も後日対応予定)で輸出入や国際間取引を行われている企業様を求めています。
&goをご利用いただき(試験期間中は無料)、&goの効果をお試しいただききつつ、実際の使用感などをフィードバックいただきたいと思います。(フィードバックを参考に、今後さらなるブラッシュアップを行っていきたいと考えています。)
お知り合いに該当する企業様の心当たりがある方は、是非ともご案内ください。
&go試験運用ご協力企業様の募集は終了しました。